ひとり社長専門税理士は、お客様がひとり社長でなくなった瞬間どうなるのか?

「最初はひとりでやっていた」

「だから、ひとり社長専門の税理士にお願いしていた」

そんな経営者でも、事業がうまくいけば、少しずつ状況が変わっていきます。

気づけば外注スタッフが数名。
パートや社員を雇うようになり、手が回らなかった業務を任せられるようになった。
——ふと、「もう自分って“ひとり社長”じゃないのかもしれない」と思う瞬間が訪れます。

そのとき、心の中にひとつの疑問が浮かぶはずです。

「今お願いしている“ひとり社長専門”の税理士、このまま続けていていいんだろうか?」

本記事では、その問いに対して、中立かつ実務的な視点からお答えしていきます。

1. 「ひとり社長かどうか」よりも大事なのは、スタンスと価値観

まず大前提として、「ひとり社長」という言葉は、単に“社長が完全にひとりでいる状態”を指しているわけではありません。

実際には、

  • 意思決定をすべて自分で行っている

  • 動きはフットワーク重視

  • 壁打ち相談ができる相手を求めている

  • 数字だけでなく、感覚や方向性も共有したい

  • 無駄な会議や訪問より、チャットで済む関係がありがたい

こういったスタンスや価値観を持った経営者のことを、広義で「ひとり社長」と呼んでいます。

つまり、たとえ従業員を1人2人雇っても、価値観やスタイルが変わっていなければ、
今の税理士と関係を続けることは何の問題もないのです。

2. 社内に「組織」ができると、自然とズレが生まれる

しかし、事業の拡大が進むと、社内に少しずつ“組織”ができてきます。

  • 経理担当が入り、税理士とのやり取りが社長本人ではなくなる

  • 毎月のやり取りが、書類・会議・資料など形式的になってくる

  • 相談内容が「人事制度」や「内部統制」など、組織づくりに寄ってくる

この段階になってくると、ひとり社長専門の税理士とは、徐々にスタンスが噛み合わなくなることがあります。

なぜなら、ひとり社長専門税理士が強みとしているのは、

  • 少数精鋭で利益を出す仕組み

  • 社長との一対一の意思決定支援

  • スピードと柔軟性を重視した対応

だからです。

“企業っぽさ”が必要になってくると、対応力のベクトルが変わってきます。

3. 税理士側が「卒業」を提案することもある

ひとり社長専門税理士のなかには、「クライアントが事業拡大したら卒業してもらう」という考えを持っている人もいます。

この場合、「規模が合わなくなったから切られる」というような冷たい話ではありません。

むしろ、

  • 自分より適した専門家がいる

  • 今後の組織運営に必要な知見を持った事務所へ引き継ぐ方が良い

  • 今の税理士が関わり続けることで、かえって足かせになるかもしれない

といった誠実な判断に基づいて、あえて区切りをつけるケースもあるのです。

これは、あくまで「卒業」というポジティブなプロセスです。

4. ひとり社長でなくなったなら、関係を見直すのはごく自然なこと

事業が拡大して、社員を雇うようになったり、社内に役割分担ができたり。

そうなると、経営のスタイルも少しずつ変わっていきます。

たとえば、

  • 意思決定をする際に、社内調整が必要になった

  • 税理士に求めるものが、「壁打ち」よりも「制度設計」や「社内管理の支援」になってきた

  • チャットよりも、月1の打ち合わせや資料の整備を重視するようになった

こうした変化は、どれも“経営が順調に成長している証拠”です。

にもかかわらず、「ひとり社長専門の税理士と続けたいから」といって、スタイルを無理に合わせ続けるのは、逆に不自然です。

税理士との関係は、ビジネスの変化に合わせて見直すもの。
それは“裏切り”ではなく、“アップデート”です。

大事なのは、「今の自分に合っているかどうか」。
それだけです。

まとめ:フェーズが変われば、見直すのが自然

お客様が“ひとり社長”でなくなったからといって、今の税理士との関係が即終了、という話ではありません。

ですが、経営のフェーズが変われば、
それに合わせて求める支援の内容も、やり取りのスタイルも、自然と変化していきます。

にもかかわらず、「なんとなく今までの延長で」と続けてしまうと、
本来得られるべき支援も、ズレたままになってしまうかもしれません。

だからこそ、「今の自分の状態に合っているかどうか」を、定期的に見直すこと。

それが、経営の意思決定としては、むしろ自然なことだと思います。

当事務所では、いわゆる“ひとり社長”の方を数多く支援してきました。

ただ、厳密に言えば「ひとりじゃない」方でも、
スタンスや判断スピードが合っていれば、しっかりサポートさせていただいています。

「事業が少しずつ大きくなってきた」
「今の税理士との関係にモヤモヤを感じている」
「スタンスは変えていないのに、ズレを感じ始めた」

そんな方は、いま一度ご相談ください。

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